債務整理のQ&Aよくある質問と回答

このページでは、債務整理(任意整理・個人再生・自己破産・過払い金返還)のFAQよくある質問と回答を紹介しています。

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債務整理・任意整理

Q1 弁護士に債務整理を依頼しても、結局、各債権者からの取立行為は止まないのでは。

A1 当事務所では、弁護士が債務整理(任意整理・個人再生・自己破産・過払い金返還など)を受任した旨と、本人に対する事実上の取立行為、直接の連絡行為を行わないよう各債権者に最初に通知します(受任通知書の送付等)。これにより、各債権者は取立行為の継続は、ガイドライン違反となるので、ストップせざるを得ないと思います。実際大手の貸金業者が取立行為を停止させないということは現在では見られなくなっています。



Q2 任意整理という任意の交渉で、借金の減額に債権者が応じることがあると聞きましたが、その理由はどこにあるのですか。

A2 主な理由は、次のところにあります。貸金(金銭消費貸借契約)については、利息制限法(貸付金額により、上限金利が決まっており、10万円未満のとき年利20%、10万円以上100万円未満のとき18%、100万円以上のとき15%)の規定があります。この規定は、強行法規です。これに反する制限超過金利の合意、契約は、この法律により、超過部分について、無効となります。制限超過利息は、超過部分について支払義務はなかったということです。サラ金、消費者金融、クレジット会社のかつての金利は、年利25%から29.2%位で行われていたことが多いです。支払義務がないのに、支払ってきた利息は、当時の残存元本に充当され、当時の債務残高が減少していたことになります。それに引き続く次回支払時の支払うべきであった利息も、当時の減少していた残存元本に対する制限金利で、計算し直されるため、更に減少し、支払回数と支払期間の長い契約ほど、実際の債務残高は減少しており、場合によっては、一旦消滅したのち、払い過ぎ、過払いの状態となっている場合も少なくありません。過払い金などと呼ばれています。
   かように、実際の債務残高は減少している点に着眼して、減少している残存元本を基準に、分割払いを組み直す交渉をし、あるいは、払い過ぎのときは、債務が既に存在しないことの確認のほか、過払い金の取り戻し交渉を行います。これを任意整理といいます。高い金利の業者の基準でそのまま完済してしまっている方の場合は、過去に遡って計算し直し、過払い金の取戻請求のみを行うこととなります。
   上記のような高い金利の貸金業者から、長期間借入と返済を継続してきた方は、一度弁護士と相談してみることをおすすめします。



Q3 貸付と返済の取引経過のわかる明細書等を紛失してしまったので、再計算しようがないのですが。

A3 債権者には、取引履歴の開示義務があるので、当事務所では、取引履歴の開示請求を行います。現在では、大手の貸金業者が、取引履歴を開示しないということは、まず考えられません。



Q4 債務整理すると、どのような不利益や制限、デメリットが考えられますか。

A4 個人の方の債務整理には、概ね、任意整理・個人再生・自己破産・過払い金返還請求があると思われますが、これらに共通して、信用情報機関で、信用悪化のリストに表示される場合があります。これは、信用情報機関の行っているもので、一定年限が経過すると、抹消されるといわれています。個人再生、自己破産では、公告する必要上政府発行の官報に掲載されます。自己破産においては、戸籍に書かれることもありませんし選挙権を失うこともありません。一定の資格を要する職業等については、なれない場合がでてきます。但し、免責が許可され、それが確定すれば復権しますので、その場合一時的なものに留まることとなります。また、破産手続中は、住居移転には裁判所の許可が必要となります。破産手続が同時廃止のときを除き、債務者は財産の管理処分権を失い、手続が終了するまで破産管財人に移転します。郵便物は破産管財人の管理下に置かれることとなりますが、手続終了後は元に戻ります。



 個人再生

Q5 個人再生とは、どのようなものですか。

A5 概ね、次のとおりです。多重債務等で、破産に陥るおそれのある個人が、債権額の5分の1の金額以上、かつ、最低100万円以上、かつ、保有資産以上の金額を3年、36回の分割払いなどで返済し、その余の債務の免除を内容とする再生計画案を提示し、債権者の過半数の同意を書面決議(債権者、又は、債権額の各半数以上が反対を表明しないという方法の決議)を得て、裁判所が認可するという手続です(小規模個人再生)。
  これに対し、給与所得者等個人再生手続というものがあり、これは概ね、サラリーマン等一定の定期収入のある者に限られますが、上記提示金額が、さらに、可処分所得の2年分以上の金額となっている場合に限り、上記のような債権者の同意を要せず、裁判所が認可するという手続です(給与所得者等個人再生)。
  個人再生を利用できる債権総額の上限は、住宅資金特別条項で掲げる住宅ローンを除き、5000万円以下である必要があります。
  再生計画案で、提示すべき最低限の金額は、上記のように、債権額の5分の1の金額以上、かつ、最低100万円以上の基準が適用される事例がほとんどですが、規定上は、債権額に応じて、再生計画案で提示すべき最低限の金額が定められています。
債権額が100万円未満の人の場合 当該債権額
債権額が1500万円以下となっている人の場合 債権額の5分の1の金額。但し最低100万円
債権額が1500万円を超え3000万円以下となっている人の場合 300万円
債権額が3000万円を超え5000万円以下となっている人の場合 債権額の10分の1の金額
  ここでいう債権額からは、住宅資金特別条項で掲げる住宅ローンは除かれますが、住宅資金特別条項を設けずに個人再生を行う場合には住宅ローンも一般の再生債権の扱いのため、含まれることになります。
  また、保有資産以上の提示も要求されるのは、破産手続で清算されていた場合の債権者の利益を守るためです(清算価値保障原則)。



Q6 サラリーマンですが、小規模個人再生は使えませんか。

A6 利用できます。サラリーマンの方についても、現在では、給与所得者等個人再生より、小規模個人再生手続の方が利用されるようです。
   その理由は、可処分所得の2年分以上の金額が、小規模個人再生で行ったときと比較すると、高く感じられ、将来の履行のことを考え、小規模個人再生を選ぶようです。

海老名駅西口方面(JR相模線海老名駅・ららぽ)へと続く動く歩道の間のステンドグラスの写真



Q7 自己破産ではなく、個人再生だと、住宅を維持できると聞いたのですが、住宅ローン債務の返済はどうなるのですか。

A7 住宅ローンについては、住宅ローン債権者と事前協議しながら、また、申立時に住宅資金特別条項を設ける旨を述べて手続をすすめ、裁判所の許可のもとで、他の一般の再生債権者とは別格の扱いをすることが認められております。
   住宅資金特別条項については、他の一般の再生債権者とは異なり、全額返済が原則となっておりますので、個人再生を利用し、住宅を維持されたい方は、申立前に、住宅ローンの滞納がないように心掛けて下さい。



 自己破産

Q8 管財事件とは、どのようなものですか。

A8 破産手続は、原則として、債務者の差押え可能な財産全部を破産管財人が換価して、総破産債権者に公平に比例的に配当する手続です。これが、破産手続の本来の姿です。これに対し、同時廃止事件というものがあります。これは、最初から、破産手続の費用すら償えない案件のときは、配当を主たる目的とした手続を行っても無駄だから、破産開始決定と同時に破産管財人を付けずに破産手続を廃止し、免責手続きのみを進行させるというものです。
   また、異時廃止事件というものがあります。通常の配当を予定した破産手続と同じように破産開始決定と同時に破産管財人を付けるが、結局は、配当せずに廃止させる事件です。これには、後で配当できないと判断された事件の場合のほか、裁量免責の調査のために破産管財人を付し、その意見を取り入れることを目的とした事件があるようです。



Q9 破産手続をすれば、必ず免責されるのですか。

A9 そうではありません。破産手続と免責手続は別です。破産法252条に列挙された免責不許可事由がない場合は、免責許可の決定がなされ、確定によりその効力が生じます。



Q10 免責許可されても免責されない債権があると聞いたのですが、どのようなものですか。

A10 破産法253条は、免責許可の決定が確定すれば、破産債権について責任を免れるが、次の債権は免責されない債権としています。非免責債権と呼ばれています。


 1 租税等の請求権
 2 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権

 3 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)

 4 次に掲げる義務に係る請求権
  イ 民法752条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
  ロ 民法760条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
  ハ 民法766(同法749条、771条及び788条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
  ニ 民法877条から880条までの規定による扶養の義務
  ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの

 5 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権

 6 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)

 7  罰金等の請求権



Q11 免責不許可事由の浪費により、著しく財産を減少させ又は過大な債務を負担したに該当しそうなのですが、破産の申立はやめた方がいいですか。

A11 免責不許可事由に該当しても、裁量免責の規定があり、免責不許可になるとは限りません。破産手続開始に至った経緯、その他一切の事情を考慮して免責を許可するのが相当であると認めるときは、免責の許可の決定をすることができるとされており、不誠実とされる行為の質や程度のほか、破産手続における誠実な態度、事後の状況、反省の度合い、再発防止の対策等も考慮される可能性もあります。免責不許可事由があっても、裁量免責で、免責される場面に遭遇することは、弁護士の経験上よくあることです。
なお、免責不許可事由の関連事情は、最初から、自発的に申し出ておくことが、重要と思われます。



 過払い金返還

Q12 債務整理の質問で、返済回数と返済期間が長いと、払い過ぎ、過払い状態となっていることがあると記載されているのですが、返済期間が長いとはどのくらいの期間をいうのでしょうか。

A12 ケースバイケースであり、一律的に何年と答えることはできません。借入額が、最初から多い人の場合の方が、最初少なく徐々に増額させた方の場合より、短い期間で、払い過ぎ状態になりやすいという要素もあります。感覚的には、7年~10年位の方が過払いとなっていることが多いです。